心は空気で出来ている

空気を読むな、呼吸しろ。

甘えんじゃねぇよ

 というタイトルの、吉田戦車(敬称略)の漫画の単行本を持っていて、若い頃ちょくちょく読み返してはニソニソ笑っていたごくまです。本は友達に借りパクされました。

 ここ10年ほど、ずっと人生の崖っぷちを歩いている気分のワタクシですが、最近ふと気づいたことがあります。

 崖っぷちをヨロヨロ歩きながら、ある時はいっそこのまま落ちてしまおうかと思い、またある時は崖のない平らな土地へのかすかな希望を抱き、はたまたある時は底知れぬ恐怖にへたり込みそうになったりもしました。

 そんな10年の歩みを振り返り、一体なぜ自分がこんな目に遭わねばならぬのかと、現状への不満が心に沸々と湧き上がってくるのを覚えたその時です。

 これは「甘え」だと。

 この状況を打開するために何をすればいいのか、何が問題なのか、どこに原因があるのか、果たして自分にこの谷底を抜け出す力があるのかと、本当に頭を悩ませ、心を砕き、苦しんできました。今もその苦しみの中にあります。

 しかしながら、これらの苦しみの根底にあるのは自分自身の甘えに他ならないと気づいてしまいました。苦境の原因を自分以外の誰かのせいにしたり、誰かの力を当てにしたり、自分でなんとかしなければと思いつつ、実際のところ自分では何もしていないのでした。

 傍から見れば、たぶん懸命になんとかしようと努力しているように見えるのかもしれません。実際、なんとかしようといろんなことをしてきましたし、今もしています。

 が、心の根本的な部分、意識の根っこのところには、大きな甘えん坊が横たわっていたのです。

 何かいろんなことをしてきたけれど、核心には触れずにきました。むしろそのいろんなことで、核心から目を逸らしていたのかもしれない。本当に正さなければならないのはこの甘えた意識を根こそぎぶっこぬくことで、枝葉を刈り取ることではないのです。

 心に湧き上がってきた不満、誰かへの不満、何かへの不満、人生への不満が、自分の中の度し難い甘えから来ているのだと気づいてしまったいま、行き場を失った不満と共に、私は身動きができずにいます。

 ここから抜け出したいという気持ちと、自分では動きたくないという気持ち。相反する意識が、がっぷり四つに組み合っての膠着状態。今まで数えきれないほど悩んで考えてきたことのすべてが、この「甘え」という問題に集約され、自分が動くのか動かないのか、白か黒かの二者択一というところまできました。

 しかしもう何というか本当に、自分ではどうしたらいいのかわかりません。どうにもなりません。ただ、これだけが問題なのだとわかっただけで、どう解決すべきなのかは見えないのです。

 そこで、ちょっと文章に起こして整理したらどうかなと思ってここに書いてみましたが、結局わからないようです。書いたはいいけど、あんまり整理されてないからかな。

 ああ、もう、なんともならん。

 

 

甘えんじゃねぇよ! (ちくま文庫)

甘えんじゃねぇよ! (ちくま文庫)

 

 

甘えんじゃねえよ!

甘えんじゃねえよ!