心は空気で出来ている

空気を読むな、呼吸しろ。

あけましておめでとうございます ~お屠蘇に隠された伝説の物語~

 本年もよろしくお願い奉り申し上げ候でございます。書初めは2日と相場が決まっているので、このブログも2日に書初めです。

 正月といえば朝っぱらから大っぴらに酒が飲める酒が飲める酒が飲めるぞーということで、お酒好きのみなさんには大好評のイベントですが、正月に飲むお酒のことをお屠蘇って言いますよね。おとそ。


お正月に飲むお酒!お屠蘇(おとそ)って一体どんなお酒? | NOMOOO(ノモー)

 これ読んでへぇ~となったので、お屠蘇について思うことを少し。

 本来のお屠蘇とは何ぞや?ということは上の記事を読んでいただくとして、僕の中でのお屠蘇観について書きます。

 新年一発目に飲むお酒、いわば飲み初めですから、何かしらこう、厄をはらうとか、そんな縁起をかつぐみたいな意味があるんだろうという程度のことは考えていました。ただ、屠蘇散という薬のこととか、それをお酒に混ぜることなどはつゆ知らず、単に正月に雰囲気出して飲む日本酒のことだと適当に考えてました。しかし、この「屠蘇」という文字にただならぬものを感じていたのもまた事実。

 お屠蘇。まず漢字の意味からして「屠る」と「蘇る」のツートップ。お上品な語感からは想像できない、厨二感みなぎる2文字です。屠り、そして蘇る。死と再生の物語が、たった2文字に凝縮されているのです。

 毎度おなじみWikipediaによれば、屠蘇の由来は「蘇」という名の悪鬼を屠るという説と、悪鬼を屠り魂を蘇らせるという説があるそうですが、どっちにしてもなんだか勇ましい内容です。「悪鬼を屠る」。オラそれだけでもうワクワクすっぞ!てな感じです。

 悪鬼の名前が「蘇」だとすると、こいつは中国由来の悪鬼ですね。とにかく悪いやつで、村々を襲っては娘をさらうとか、そういう悪事を働きます。そこに現れた勇者。ものすごいイケメンです。女装すればそれはもう絶世の美女に大変身。彼は蘇にわざとさらわれます。そして蘇のアジトで酒を飲ませ、酔っ払って眠りこけたのを見計らってヤツの首を刎ねとばします。

 勇者は蘇の首を桶に入れて都へ持ち帰りますが、蓋を開けてみると桶の中は酒で満たされていて、底には宝玉が沈んでいます。勇者がその酒を飲んでみると、体の底から力がみなぎり、気力が満ち満ちて、どんな戦にも負けませんでした。やがて彼は一国の主となり、800歳まで生きたといいます。蘇の首からできた宝玉とそこから生まれる酒は、彼の死後行方知れずになりましたが、後世の人々に「屠蘇」と呼ばれる伝説となりましたとさ。

 という具合に、適当な物語を妄想しながら、スーパーで買った安酒をちびちびやるのも乙なもんです。

 ではまた!