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空気を読むな、呼吸しろ。

親にもらった微妙なクリスマスプレゼントの思い出

 前回はうちの息子のクリスマスプレゼントについて書きましたので、今度は僕自身が親からもらったクリスマスプレゼントの思い出を書きます。


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 その思い出というのは、たしか僕が10歳か11歳の時。どっちだったか思い出せないんですが、たぶん11歳でしょう。そういうことにしておきます。

 当時はガンプラが爆発的な人気を博し、それこそ今の妖怪ウォッチなみに入手が困難でした。たぶん。おそらく。ただ、今みたいに孫や子供のために大人が行列を作るなんてことは、クリスマスなどのイベントでもなければ、僕の知る範囲ではありませんでしたから、子供は自分で買うために店をはしごしたり、予約したりしてガンプラを手に入れていました。

 僕が初めて買ったのは、商店街のおもちゃ屋さんで予約して手に入れた、1/144スケールの量産型ズゴックでした。店頭でパッケージを受け取った時の感動は今でも忘れられません。

  そうそう、ガンプラの話はおいといて、本題はクリスマスプレゼントです。

 それは、とても寒いクリスマスの朝でした。目を覚ますと、枕元に包装紙に包まれた箱が置いてあります。ちょうどプラモデルでも入っていそうなサイズの箱でした。僕はどきどきしながら、もうガンプラに間違いないと確信しつつ、包装紙を解きました。僕がガンプラにハマって、日夜ガンプラ作りに勤しんでいることは母も知っているはず。1/144スケールにしては箱のサイズが少し大きい。1/100スケール?マジで?ありがとうお母さんん!どっちのモビルスーツだろう?ジオン?連邦?

 

 

 

 包装紙から出てきたのは、

 熊本城のプラモデル

 でした。

 

 く、くまもとじょう……?

 パッケージには堂々とした石垣、そして天守閣の写真。なぜだ。なぜ熊本城なのだ。日本3大名城だから?加藤清正が築いたから?黒いから?なぜ?なぜなんだよおぉぉう……

 期待外れとか、不満とか言う前に、なぜお城のプラモデルなのか、その謎が深すぎて、子供の僕はその時の微妙な気持ちをどこへ持っていけばいいのか、途方にくれました。母親には「こんなんいらんわ」などと言えるはずもなく、ありがとうと言ってにっこり笑っておきました。その笑顔がひきつっていたかどうか、今となっては記憶に定かではありません。

 予想の斜め上どころか、真後ろからガツンとやられたような感覚を覚えながらも、僕は熊本城のプラモデルを一週間くらいかけてちまちま作り上げました。ガンプラとはずいぶん勝手が違って、逆に新鮮さを感じました。地面の芝生は、接着剤を塗った表面に緑色の粉を振りかけて作ったのを覚えています。あの粉は何で出来ていたんだろう。

 なんだかんだ言いつつ、ものを作るのは好きなので、いつの間にか組み立てに熱中していて、完成したことを喜んでしまっている自分に、ちょっと悔しさを覚えました。その熊本城は、それから10年近く、僕の部屋の棚に飾られていました。

 それ以来、お城のプラモデルの面白さに目覚め……ることはありませんでしたが、作ってみると意外に面白かったです。ガンプラと違って可動部分がないので、作った後は飾ることしかできず、つまらないと言えばつまらないんですけど。

 以上、初めて枕元に置いてもらったクリスマスプレゼントのお話でした。

 ではまた!

1/350 DX城 熊本城

1/350 DX城 熊本城