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ごくまトリックス

いらっしゃいませ。アニメ・子育て・雑文と、責任持てない与太話。あくまで個人のたわごとです。

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伯父が亡くなった夜、僕は彼女の部屋に泊まり込んでいちゃこらしてました

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 連休初日に子供との遊びで体力を使い果たし、あとの2日間は風邪をひいたのかどうか微妙な感じで、PCを開く気にもなれなかったごくまです。

 さて3日ぶりのはてなブログで、ポンコつっ子さんの記事を読んで触発されましたので、僕も身近な人の死を経験した思い出を書いてみたりなんぞします。


人はいつ死ぬのか - 心がよろけそうなときに読むポンコツ日記

 

 かれこれ10年以上前のこと。当時まだ実家暮らしだった僕は、彼女と遊んで、そのまま一人暮らしの彼女の部屋にお泊りするというデートを、週1くらいのペースでこなしていました。同じ会社の別の部署で働いていた彼女とは毎日顔を合わせるのですが、寂しがりやの彼女はプライベートで3日も会わないと不機嫌になるという難しい性格。のんびりマイペースで自分の時間も大事にしたい僕は、デートは月1でも十分なくらいに思っていましたが、まだラブラブ期間だったこともあり、平日の夜でも会いに行き、週末にはお泊りデートという、自分史上最も恋愛に体力を使っていた時期でした。

 その頃、以前の記事で登場した伯父が、肝臓を悪くして入退院を繰り返していました。その数ヶ月前までは、伯父夫婦は頻繁に僕の実家に来ていました。晩御飯を一緒に食べ、テレビを見ながら団欒の時を過ごして帰っていくというパターンで、多いときは週3くらいのペースで家に来ていたと思います。

 子供の頃はよく遊びに連れて行ってもらったり、お小遣いをくれたりと、ずいぶん可愛がってもらった伯父ですが、薄情な大人になった僕は「なんでこんなしょっちゅう来るんだろう」と、正直ちょっとうっとおしく感じていて、食事のときだけ話相手をして、後は自分の部屋に籠ったりしてほとんど相手をしませんでした。

 伯父の具合が悪くなり、家にあまり来なくなってから、心配ではありましたが同時に少しホッとした部分もありました。子供のいない伯父夫婦は、年を取って2人だけの食事が寂しくなったんだろうと思います。僕は、伯父夫婦が放つ「寂しさオーラ」みたいなものが苦手でした。

 かつての伯父は、活動的で自信に満ちた頼もしい存在でした。それが年を取るにつれ小さくなり、弟家族の団欒に交じって寂しさを紛らわそうとする、精神的な依存が見え隠れするようになりました。そんな伯父夫婦の姿に、なんとなくモヤモヤしたものを感じていました。

 伯父が入院したと聞いたとき「また入院したんだ。今度はいつ出てくるのかな」などと軽く考えていた僕は、その週末もいつも通り彼女と会って食事をし、彼女の部屋で一夜を明かしました。

 翌朝早く携帯が鳴った時、僕はまだ彼女の隣で寝ていました。電話に出ると、嫁いで実家にいない上の姉からでした。どこで何をしているんだという、少し詰るような言葉の後、伯父の死を告げられました。昨晩、容体が急変し、そのまま逝ってしまったと。僕はショックを受けましたが、その時点ではまだそれほど実感がありませんでした。僕は彼女に事の次第を手短に話し、一旦実家に戻って身支度をし、伯父の遺体が安置されている斎場に向かいました。

 斎場に着き、親族の待合室に入ると、父と母と姉2人がテーブル席で静かに座っていました。父は落ち着いた表情で「おう、来たか」と言いました。その顔を見た瞬間、伯父がもうこの世にいないんだということをありありと実感し、一気に悲しみがこみ上げてきました。僕は何も言えず、そのまま踵を返して待合室を出ると、トイレに駆け込んで泣きました。

 トイレでしばらく泣いて気持ちを落ち着けた後、冷たくなった伯父と対面しました。その時にはもう伯父の死を受け入れていて、泣くほどこみ上げてくるものもなく、ただ心の中で「今までありがとう」とだけつぶやきました。

 その後何年も経ってからですが、ふと、あの時どうして父や母、実家で暮らしていた下の姉は、伯父の危篤を知らせてくれなかったのだろうと思いました。彼女と一緒にいるところを邪魔したら悪いと思ったのでしょうか。しかし世話になった伯父の死に際にそんなことで気を遣われても……という気もします。

 本当の理由はいまだに本人たちに確認はしていませんが、もしかするとあの当時の僕は、傍から見てもわかるほど伯父夫婦に冷たかったのかなと、今ごろになって思ったりもします。つまり、僕が伯父の死に大した関心を持たないだろうと思われるほど、冷淡に見えたのかなと。

 しかし10年以上前の話となると、客観的に自分の態度を振り返ることができるだけの確かな記憶がありません。自分ではそれほど冷淡にしていた覚えはありませんが、客観的に見たときにどうだったか……いまさらそれを掘り返して家族に聞くというのも、少し怖い気がします。

 あの時のことを思い出すたび、もっと伯父に親切にできたんじゃないか、もっと時間を割いて話し相手になるべきだったんじゃないか、という後悔のような、罪悪感のようなものを感じます。あくまで「ようなもの」であって、それほどはっきりした感情ではありませんが。

 この時の彼女とは、伯父の件でしばらくほったらかしにしていたことが原因で別れることになります。身近な人を失くしたショックで落ち込んでいるところを、やれ寂しかっただの連絡が欲しかっただの、全くこちらの気持ちを汲もうとせず、かまってちゃんぶりを発揮する彼女に幻滅したのも大きな要因です。別れを切り出したのは彼女でしたが、僕はそれをすんなり受け入れて別れることになりました。

 そういうごちゃごちゃした周辺事情も含め、伯父の死は決して忘れられないというか、僕の中に消化しきれないものを残した出来事です。

 ということで、今日はここまで。 

「短編小説の集い」の感想は明日書く予定です。予定。