心は空気で出来ている

空気を読むな、呼吸しろ。

盆踊り 雨の中でも 踊れるよ みんな大好き ダンシングヒーロー

 今話題の、モモモッツァレラサラダを作りました。でっかい桃が腐りかけで半額だったので、買ったこともないモッツァレラチーズを買い込み、あとは家にあるもので、と思って家に帰って作り始めたはいいものの、白ワインビネガーとかバルサミコ酢なんてシャレオツな調味料がないことに気づき、ポン酢で代用しました。そのせいかどうかわかりませんが、微妙な味わいでした。ごくまです。

 近所で盆踊り大会があったので、雨の中を車で出かけてきました。天気が怪しかったので、事前に電話で確認してみたら「やる方向で」という返答でしたが、出かける直前になってそこそこ本気の雨が降り出して、大丈夫かなと思いながら会場へ行ってみたら、予想外の人出で驚きました。

 駐車場から傘をさして盆踊り会場へ向かうと、しとしとと降る雨の中「おどるポンポコリン」が流れてきます。小さな会場をぐるりと囲むように露店が並び、わたがし、ジュース類、豆腐田楽、フランクフルト、あとは光るおもちゃ、風船ヨーヨー、金魚すくい、といった品揃えです。なぜかき氷がない?

 この地方(愛知県尾張および岐阜県南部)では、かれこれ25年以上前から、盆踊りの超定番曲として、荻野目洋子の「ダンシングヒーロー」が使われます。この曲にはちょっとした思い出がありまして。

 あれはたしか15の秋。ポートメッセナゴヤで開かれた輸入車ショーに、親父が連れて行ってくれました。その会場に営業で来ていたのが荻野目洋子。僕が初めて生で見た芸能人が彼女です。ステージが見えない場所で車を見ていたら、どこからかダンシングヒーローが流れてきました。親父は「お、なんか始まったぞ」とか言いながらステージ方向に歩いていきます。僕はその後について歩きながら「アイドルより車見たいよ……」と思っていました。

 やがてステージが見えてくると、その上で歌う荻野目洋子の姿が見えてきました。白っぽいフリフリのワンピースを着ていたと記憶しています。親父はステージに向かって歩きながら、曲に合わせておもむろに手拍子を始めました。まだステージまではそこそこの距離があります。ちょっとそれまでの親父のイメージからは想像つかないその行為に、僕は戸惑いながら(やめてよ父さんんん!)と思いながら周りの目を気にしていました。

 そのダンシングヒーローがなぜ、この地方で盆踊りの定番曲となったのか、理由は定かではありませんが、人生の半分以上、毎年この曲を町のどこかで耳にするたび、僕はこの出来事を思い出します。

 もちろん今日の盆踊り大会でも、ダンシングヒーローが流れました。時折雨が強くなる中、老若男女入り乱れて「ヘイヘイヘイヘイ!」なんて掛け声をかけながら、櫓の周りを踊り回ります。しかも連チャン2回。どんだけ好きなんだと。

 その他は郡上踊りで有名な「春駒」、定番中の定番「炭坑節」、中村美津子の「河内おとこ節」、新しいところではAKB48の「恋するフォーチュンクッキー」といったラインナップでした。昔よく聞いた「ドラえもん音頭」とか「アラレちゃん音頭」は流れなかったなぁ。

 ラムネとピカピカ光る団扇と、曲げると光る蛍光ブレスレットを買ってもらって満足した息子を連れて、雨の中を家に帰りました。そういえば「わたがし食べたい!」って息子が言い出したのがきっかけで盆踊りに出かけたのに、最初に買ったわたあめには結局一口もつけなかったな。あのわたがし欲はいったい何だったんだ。

 以上、今夜はみんながダンシングヒーローだったよ!っていうお話でした。