心は空気で出来ている

空気を読むな、呼吸しろ。

機関車トーマスの機関士の存在意義

 機関車トーマスというアニメをご存じですか。

 子供向けの作品なので、お子様がいるご家庭には馴染みがあるんじゃないでしょうか。

 現在、NHKのEテレで毎週日曜日の朝に放映中です。

 登場する機関車たちはみな正面に顔がついています。人によってはこの顔が無理!キモイ!という意見もあります。ぶっちゃけ、全然可愛くないし、顔色も灰色だし、そういう意見が出るのも無理はないと思わせるくらいの顔です。なんで子供に人気があるのかわからないくらいの顔。その機関車たちが自分の意思を持ち、人間のように考え、話し、感情を持っています。ただし、あまり物事を論理的に考えることができません。要するに対象年齢の子供たちと同じくらいの精神年齢に設定しているんですね。

 彼ら機関車は、子供と同じように狭い視野とわがままと拙い思考回路でもって仕事をしているものですから、いろいろと問題が発生します。その問題を解決する過程で、機関車たちは何かを学ぶわけですが、続けて見ていると、実は全く学習していないことがわかります。基本的に人(またはほかの機関車)の話を聞かないので、何度も同じ失敗を繰り返します。見た目は立派な(?)機関車ですが、中身は子供ですから仕方ありませんね。

 ただ、自分の意思で行動するとはいえ、機関車という設定上、彼らには必ず機関士が乗り込んでいます。しかし、機関車たちの独断専行には全く関知しません。機関士なのに。機関車たちがどんなに間違った行動を取ろうと、危ないことをしようと、それを修正しようという意思は全くない。ただただ機関車の行動にふりまわされて、ひたすら迷惑を被るのみ。そもそも喋らない。機関車に意思があるのに、人間である機関士には意思がないかのよう。無理に乗らなくてもよくね?と思います。

 そんな機関士たちのふがいない姿に、同じ人間として情けない思いをしていたある日、ふと気づいたことがあります。こんなやつ、他にも知ってる。

 「秘密結社鷹の爪」などで知られるアニメクリエイター・FROGMAN(蛙男)の作品「土管くん」シリーズに登場する主役メカ・土管くんの操縦士です。土管くんは意思を持ったロボット。にもかかわらず、その頭の上には操縦士が乗っていて、レバーを握っているっぽい。にもかかわらず、土管くんは完全に自分の意思だけで動いてる。操縦士はいろいろ大変な目に遭いますが、文字通り「振り回されてる」だけでなにもしません。

 機関車トーマス機関士と、土管くんの操縦士。似てる・・・こいつら似てるわ。思わぬところで似た者同士を発見して、ちょっと嬉しい。