心は空気で出来ている

空気を読むな、呼吸しろ。

死を恐れる父、父の死を恐れる私

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アドレナリンから 湯気が出る

抜ける髪の毛 断末魔 オオオ

 父の死期が近いような、そうでもないような。

 長いこと糖尿病を患い、インスリンを打ちながらの生活。しかし合併症で身体のあちこちが……という話は聞かない。戦前生まれは意外と丈夫だ。

 70代前半まではまだ元気があった。ところが、一度低血糖で気を失って病院に運ばれて以来、すっかりしょぼくれてしまった。

 十年くらい前にヘルニアの手術をしたのだが、最近また腰が痛くなってきたという。膝も悪くなってきて、歩くのが苦痛らしい。

 そうして、徐々に体が衰えてきたこともあり、本人的にも「死」をリアルに意識せざるを得なくなってきていると思う。

 元気な時は、まだ冗談交じりで、笑いながら死んだときの話をしていたが、最近自分の死を会話の中で匂わせる時は、もう冗談で済ませられる雰囲気ではなくなっている。

 低血糖で倒れた時、実家に帰った私に、その時の顛末を半ば笑いながら話していたのだが、その笑いには絶望と悲しみと恐怖が滲んでいた。笑いでごまかせないものが、父の顔に表れていた。

 姪が、来年結婚式を挙げる予定だ。おじいちゃん子の姪は、仕事が休みの時など、なんでもない日でも、父の顔を見に実家へ行っているらしい。

 先日たまたま、実家で姪と顔を合わせた。そこで結婚式の話を聞いたのだが、「おじいちゃんも結婚式に出てね」と姪が言うと、「もうそんな頃にはじいちゃんおらへんわ(いないぞ)」と笑いもせずに寂しい声で言う。

 母は「絶対おるわ(いるよ)」と笑いながら言う。

 昭和のホームドラマかよと思いながら、私も笑う。長山藍子の顔が浮かぶ。

 空襲を避けて名古屋から疎開してきた父。親戚の家に兄と一緒に預けられて、疎外感を味わったという父。繊維業界の低迷で職を失った父。生活再建をかけて未経験の業種で苦労した父。家を建て、3人の子どもを養った父。そして、幼いころからずっと、畏怖の対象だった父。大人になってからは、あまり尊敬できなかった父。

 そんな父が、自らの死を目前にして、悲しみと恐怖にしょぼくれている。その感情を乗り越え、達観して欲しいと思う一方、そういうことができる人ではないとも思う。

 しかしながら、死が、生きている人にどう作用するかはわからない。存外、何かを悟って安らかに逝くかもしれないし、悲しみと恐怖に打ち震えながら逝くかもしれない。

 そんなことを言っている私も、いつ死ぬかはわからない。明日何かの事故でポックリ死ぬかもしれない。進行性の病気でも見つかって、数ヶ月後には死ぬことになるかもしれない。いつどこで誰に死が訪れるかは、誰にもわからない。

 父が亡くなったら、私はどのくらい悲しむだろうか。あるいは、ほっとするだろうか。どうなるかわからない。私にはそれが怖い。自分の予想以上に悲しくなったら困るなと思う。できればあまり悲しみたくはない。しかし、あまり悲しまないのもそれはそうれでどうかと思う。

 父は死を迎えることによって、自分がどうなるかを恐れている。

 私もまた父の死に際して、自分がどうなるかを恐れている。

 死は、いろいろなことを考えさせる。

 たとえそれが無駄なことだとわかっていても。

 本日はこれにてお粗末。

チチキトク スグカエレ

チチキトク スグカエレ

 

 

 

自転車で危機一髪、事故りそうになった友達の記憶

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Here come bad news, talking this and that

 小学2年生の息子氏と出かけると、車を降りるなり駆け出したり、駐車場をスキップしながら移動したりと、肝を冷やすことが多い。

 そんな息子氏を見ていて思い出したこと。

 私が小学生のころ、同級生の友達の家に遊びに行き、そこに集まったみんなで、河川敷のグラウンドまで自転車で出かけようということになった。

 友達の家から、そのグラウンドまでは一本道。しばらく走っていると、堤防道路に上がっていく坂道が見えてきた。

 すると、友達のS村が、おもむろに立ち漕ぎでスピードをあげていき、ぐんぐん先へ進んで行った。一瞬、どうした?と顔を見合わせる他の友達。それからすぐに、S村が坂道を一気に駆け上がろうとしているんだとわかった。みんなはペースを変えずに、後ろからS村の走りを見ながらついていった。

 先に行ったそいつが、いよいよ坂道にさしかかろうという時、その手前の十字路の左手から車の鼻先が見えて、キキーッという派手な急ブレーキの音が響いた。

 凍りつく空気。

 S村はその時すでに十字路を通り過ぎて、坂道を登り始めていたが、急停車した車の窓から怒鳴っているおじさんのところまで、バックですごすごと戻ってきた。

 しばらくおじさんに怒られたS村。私と他のみんなは自転車を止めてその様子を離れたところから見ていた。下手に近づけば巻き添え説教をくらいかねない。みんな他人のフリ。

 車が行ってしまうと、私たちはS村に近づいていって「危なかったなぁ~」と口々に言い合った。S村もバツの悪そうな顔で、少々青ざめていたような気がする。

 あの場にいたみんなは、学校でうるさく言われる交通安全教育よりも、はるかに強烈に、事故の怖さを実感したはずだ。

 あれからおよそ40年。未だに、自転車に乗るとやたら用心深くなる。車を運転している時より神経が張っているかもしれない。たまにしか自転車に乗らないから、余計にそうなのかもしれないけど。

 とはいえ、あの時一番肝を冷やしたのは、間違いなく車を運転していたおじさんだろうな。

HAPPY

HAPPY

 
ミニオン 危機一発

ミニオン 危機一発

 

 

実写版斉木楠雄のΨ難を観て、橋本環奈の声を初めて聞いたんだけど

saikikusuo-movie.jp

不思議な力 気づけば追いかけてしまう

なんてこった!これってとんだΨ難(さいなん)?

 ちょっと前にテレビで放映されていたのを録画してあったので、観ました。

 原作漫画を読んだことも、アニメを観たこともなかったのですが、CM見てちょっと興味がわいたので、時間があったら観るか程度の感じで録画しました。

 最近の若手俳優さんがいろいろ出ていて、知らない人ばっかりなんですが、橋本環奈だけはネットで名前を見かけたり、ぷっちょのCMにも出ていたので知っていました。

 わりと典型的な美少女という感じで、ああ確かに可愛いねという感覚でしか見ていませんでしたが、この作品で彼女の演技を見て、ちょっと印象が変わりました。

 一番印象に残ったのは彼女の声。あのルックスからはちょっと想像できない低音で、なおかつ若干のハスキーヴォイス。もっとこう、鈴を転がすような声とでも言うんでしょうか、そんなイメージを勝手に抱いてました。

 あの声は、どちらかと言えばクラスの中でも活発で男勝りな女子か、いじめっ子キャラに似合いそうだと思いました。あくまで個人の感想です。

 しかし、作品の中ではそれに近いキャラクターと演技で、変顔や悪顔をこれでもかと披露しており、あの声質が生かされてたと思います。

 ギャグとしても面白く、それなりに笑えました。オープニングの演出がまんま「勇者ヨシヒコ」やん!と思ったら監督が同じでした。

 あと細かいことは覚えていませんが、最初のほうのシーンで、ベッドに寝ている赤ん坊(主人公)をのぞき込む夫婦の、奥さんのお尻が真正面に見えていて、私はそれに「おっふ……」となったわけですが、誰だろうと思ったら内田有紀でした。

 内田有紀。いいですね。若い頃より、今のほうがはるかにいいですね。

 というわけで、本日はこれにてお粗末。

恋、弾けました。

恋、弾けました。

 
有紀と月と太陽と―内田有紀写真集

有紀と月と太陽と―内田有紀写真集

 

 

紅葉狩り2018パート3【大矢田もみじ谷】最終回

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冬が来る前に 夜半の波止場でビールを飲もう

 紅葉ハント第3弾ですよ。

 こちらが大矢田神社の拝殿になります。艶やかな紅葉の中にあって、蒼古とした風情を漂わせています。

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 拝殿の左脇にある小さな蔵。宝物でも収めてあるんでしょうか。

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 拝殿の右側に、大矢田神社の歴史と、廃仏毀釈以前にあったとされる禅定寺の想像図、本殿・拝殿の解説を載せた看板が置いてありました。この反対側におみくじや御朱印を扱う社務所があります。

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 拝殿の右側から望む本殿の屋根。青空に映える緑と赤。

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 さっき登ってきた階段の終わりにある鳥居。たぶんコンクリート製ですが苔むしていて古さを感じさせます。

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 木陰越しに見る紅葉。素晴らしい色彩。

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 さっき登ってきた階段を上から見下ろすとこんな感じ。まぁまぁ急だな。

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 階段を降りるのは膝によくないので、本殿に向かって左側から降りる坂道を下ることにします。これまたいい眺めだ。

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 上の写真の中央下に写っている看板を間近から。ここに描かれている生き物はおそらくリス。

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 こんな風に、曲がりくねった坂道を下ると、露店が並んだ参道に出ます。

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 右を見れば紅葉。

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 左を見ても紅葉。

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 そして見上げても紅葉、そして抜けるような青空。最高かよ。

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 駐車場を過ぎて、ひんここ祭りの会場へ向かいます。まだ渋滞してらぁ。

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 ひんここ祭りの会場。右手の山の中腹に見える幕のところで人形劇をやります。

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 会場にも拝殿らしきものがあり、奥に御神鏡が見えます。それはそうと、この手間の赤い人形はなに?怖いんだけど。脇に説明書きがあったけど怖くて近寄れなかった。

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 祭りの出番を待つひんここ(人形)と演者の男衆。

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 午後の部まではまだ時間があるので、もう少し先に足を延ばしてみます。こんな古そうな家屋があちこちに点在していて、それらを見るだけで楽しい。

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 柿の木?に妙なコブがあると思ったら、ゴリラのぬいぐるみでした。雨ざらしになっててすっかり脱色してる。AMAZARASHI。

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 途中、何かの工場(製材所?)の外に置いてあった機械。こちらもAMAZARASHI。何の機械だろう。製材機械かな。周りは山ばかりだから、林業もあるでしょう。でもこの機械は燃えてるっぽい。火事でもあったのか、外に放置してる間に劣化したのか。どっちにしろ、こういうごちゃごちゃした機械を見ると萌える。機械萌え。

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 そしてこの後、ひんここ祭り午後の部が始まって、パート1に戻るわけです。最後は紅葉と全然関係ない写真で締めますが、それもまた一興。

 というわけで、大矢田ひんここ祭りと紅葉狩り編はこれにて終了。また来年、行けたら行こうと思います。

 本日はこれにてお粗末。

冬が来る前に

冬が来る前に

 
シルバニアファミリー 人形 くるみリスファミリー FS-17

シルバニアファミリー 人形 くるみリスファミリー FS-17

 

 

紅葉狩り2018パート2【大矢田もみじ谷】

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真っ赤なほっぺたの君と僕

真っ赤な秋に囲まれている

 大矢田もみじ谷の紅葉狩りパート2です。

 パート1では鳥居をくぐったところにあった岩まで出したので、続きの写真をどんどん載せていきますよー。

 はいこれ。パート1で写真を載せた看板にも書いてありました、市指定重要文化財の楼門です。なかなか立派ですよ。

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 そしてなななんと、楼門の両サイドには金剛力士像が鎮座しておるのです。

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 でもどっちが阿形でどっちが吽形かわからない。両方ともかなり傷んでます。修復の予算はつかないんでしょうねぇ。

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 杉の巨木と紅葉の共演。

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 参道は続くよどこまでも。

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 夫婦樹。この樹に触れると家庭円満に、股の部分を撫でると子宝に恵まれると言われています。ですってよ奥さん。ちゃっかり賽銭箱もスタンバイ。

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 さらに進むと、少数ながら露店が並んでいます。じゃがバター、たこ焼き、串カツ、五平餅……胸が躍りますなぁ!胸っていうより腹か。

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 高鳴る胸、いや腹を抑えて、ひとまず神社の本殿に向かいます。しかし本殿はこの階段の上。ま、日頃筋トレで鍛えてますから、このくらいの階段は余裕ですよ。

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 階段を登ろうと思ったら、脇に恵比寿神社と祖霊殿が。しかし特に用はない。

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 太鼓橋。なんでここにあるのかよくわからない。俺と一緒に太鼓橋を逆に渡って……それはなみだ橋。

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 さぁ!この階段を一気に駆け上がろうぜ!

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 と思ったら、その脇に池がありました。鯉が寄ってきました。観光客にエサもらってんだろうな。でも今は何も持ってないからあげられないよ。

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 その池に注ぐ直毘(なおび?)の滝。塩ビ管からチョロチョロ水が出てるだけです。これを滝と言っていいものかどうか……説明書きにはなにやら霊験あらたかなことが書いてありましたが……塩ビ管の滝じゃあなぁ……もしかして直毘(なおび)と塩ビをかけたダジャレ的な?……ハッ、まさかね。

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 さぁ!いよいよ階段を駆け上がって……駆け上がって……駆け……やっぱ普通に歩いて行こう。膝によくない。

 やっとの思いで階段を上がりきると、手水舎がありました。手と口を漱いで清めます。

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 階段を登って疲れたので、今回はこれにて御免。

真赤な秋

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真赤なウソ '88

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