はいたせりふが またひとつ ああ ああ
これも風邪のせいならいいんだけどさ
先週末あたりから本格的に涼しくなり、朝は肌寒いと感じるほどになりました。
夜のうちは、まだ昼間の熱が残っていて、部屋はそこそこ暖かいので、風呂上がりなどは汗が引くまで薄着で過ごしていました。
朝になれば涼しくなるのはわかっていたのですが、寝ている間に布団をはだけてしまい、目覚めたら寒さで縮こまっているということがありました。たぶんそこで体が冷えすぎたのでしょう。わかりやすいタイミングで風邪をひいてしまいました。〇〇は風邪をひかないって言いますが、あれは嘘ですな。
私は子どもの頃から喉が弱く、健康診断のたびに扁桃肥大を指摘されていました。高校生の頃に一度、手術を検討したこともありますが、その時の医者は、とりあえず様子を見ようと言って、うがい薬だけ処方してくれました。
うがい薬というのは、ごく普通の赤茶色の液体のあれです。イソジンが有名ですが、かつてイソジンを販売していた明治は、商標を持つアメリカの会社との契約が切れたので、イソジンと同じ薬を違う名前で販売しています。現在、イソジンの名前でうがい薬を販売しているのは、新たに契約を結んだ塩野義製薬です。
それはそうと、当時の私はそのうがい薬の正しい使い方を知りませんでした。そして母も、正しい分量というのを知らなかったようで、コップ一杯の水に、数滴たらしてうがいをすればいいと教えられました。それで、朝起きた時と、夜寝る前にうがいをしていたのですが、一日二回、一度に数滴しか使わないので、なかなか減りません。
そうして次の診察で病院に行ったとき、そろそろ薬がなくなるんじゃないかと医者に聞かれましたが、まだ半分以上残ってますと答えました。
すると、その医者はあっけにとられたような顔で、横にいた看護師さんと視線を合わせて、半笑いで「いやいや、それじゃダメだよ、もっと何回もうがいしないと」と、小馬鹿にするように言ったのでした。
私は「いやいや、そんなの聞いてねぇし」と心の中で思いながら、少々悔しい思いを抱えて帰りました。その件については親にも何も言わず、その病院には二度と行きませんでした。
そのまま、扁桃肥大の治療のことは、私も親も忘れてフェードアウトしたまま今に至ります。私の中には、あの年老いた医者の、人を馬鹿にしたような半笑いの記憶だけが残りました。
すでに30年以上も昔のことで、その時の嫌な気分も忘れてしまいましたが、あのシーンだけが記憶に残っていて、風邪をひいて喉を痛めると、たまに思い出します。
ただ、もしかすると、私の医者嫌いはあの出来事が原因なのかな、と思うこともあります。心の底では根に持っているのかもしれませんね。
ということで、季節の変わり目、風邪には気をつけてください。
では本日もお粗末さまでした。